トップセラピストに聞く!「アロマパライソ池袋」/成瀬まり
メンズエステ界で活躍する人気セラピストを恋愛コラムニストとしても活躍する、ライターのミクニシオリさんがリフガイド女子部としてインタビューします。40代でメンズエステのセラピストとしてデビューした成瀬まりさんが、これまでのキャリアを振り返りながら今後のセラピストとしての生き方についても話してくれました。
女性のセカンドキャリアとしての選択
メンズエステセラピストは若い女性だけの職業ではないということを、本連載では再三お伝えして参りました。長く働き続けることもできるし、女性のセカンドキャリアとしても選択することが可能な仕事です。
アロマパライソ池袋の成瀬まりさんは、まさにその事実を体現する人です。若くからエステ業界で働き、40代からメンズエステでセラピストになった成瀬さんに「セカンドキャリアとしてのメンズエステ」についてお伺いしました。
40代からのメンズエステ、不安がなかった理由
ミクニ 成瀬さんは20代からエステ業界にいらっしゃったんですよね。なぜまた、40代になってからメンズエステの世界にいらっしゃったんですか。
成瀬 正直に言えば、好奇心です(笑)。メンズエステに至るまで、一般のエステ業界で20年以上働いていました。もみほぐし、ロミロミやオイルマッサージなど、いくつか店舗を移動しながらでしたが、ずっと人の身体に触れる仕事をしていました。
普通のエステで働いている時のお客様の中に、メンズエステを経営されている方がいたので、メンズエステの存在は30代のうちに知りました。実はその時、そのメンズエステで技術講習を頼まれたんです。なので、私のメンズエステの認識は「若い女の子なら、エステスキルに自信がなくても働けるエステ」でした。
40代になってから「最近はメンズエステにも熟女系のものがあるらしい」ということを知って、やってみたくなっちゃったんですよね(笑)。
それでいざ入ってみたら、自分が今までやってきたエステとは全く違う施術も多くて。そこからはもう、虜です。今までできなかった施術を追求するのが面白くて。
ミクニ すごくポジティブ! 逆に熟女店とはいえ、40代からメンズエステで働くということに不安はありませんでしたか?
成瀬 もうずっと人の身体に触るお仕事をしていますし、不安というものは全くありませんでしたね。普通の子が感じる不安っていうのは、やっぱり身体を触られるんじゃないかとか、そういうことなのかな。私の場合、あまりにもエステの業界にいすぎて「そういう人って、メンズエステに限らずどこにでもいる」ということを知ってしまっているんですよね。普通の男女ともいらっしゃるエステでも、そういうことをしてくる人もいるんですよ。でも、そこですべき対応にももう慣れていたから、特段そこに不安を感じるということはありませんでしたねえ。
ミクニ ちなみにどんなふうに対応されるんですか?
成瀬 普通のエステで働いていた時は……「お客様、残り時間もまだあと半分ほどありますが、このようなことをされますと、返金等もできませんが、ここで施術終了となりますが……大丈夫ですか?」って(笑)。
そうやって伝えたらたいてい、皆さんしゅんとされちゃうんですよ。だからなんというか、まあ経験値が高いといいますか。
ミクニ お上手です……!
成瀬 エステ業は肉体労働ですから、年齢がいくと身体がついていかないという人も多いと思うんですけど……やっぱりメンズエステは普通のエステより高単価ですから、労働のコスパはいいですし、セカンドキャリアとしてもおすすめだと思います。エステ業界が長い方なら、施術面では全く問題なく働けると思います。
60代になっても、続けたいと思える仕事
ミクニ ちなみにお店選びはどんな基準でされましたか?
成瀬 私も社会人経験は長いので、お店が社会的にしっかりしているかを重視しました。『アロマパライソ』は10年以上お店が続いていたということと、研修がしっかりしていたことが入店の決め手です。特に研修に関しては、座学研修と実技研修どっちもやってくれて、その上試験まであるという充実っぷりです。
お店によっては1,2時間の実技研修のあと、すぐにデビューさせてしまうこともあるみたいなんですが……何もわからずに現場に出されてしまうのが、一番怖いと思うんですよね。おどおどしていたらお客さんにもなめられてしまう。やるべきことがしっかりわかっているほうが、自信を持って振る舞えるはずです。
ミクニ 堅実な選択かもしれません。これはシンプルに、社会人の先輩の目線として参考になりますね……メンズエステに限らず、教育がしっかりしていない会社はちょっと怖いし、自信がないと失敗しやすいというのも、そのとおりだと思います。
成瀬 メンズエステの話をすると、触れ合う肌の面積が広い分、迷いや自信のなさも伝わりやすいと思います。自分もその触れ合いを楽しむくらいの気持ちが大事だと思います。
ミクニ なるほど。成瀬さんはお客さんの肌に触れるのが楽しいんですね。
成瀬 楽しいですね〜。施術をするのも好きで、新しいマッサージをどう組み込むかとかを考えるのが楽しいんです。
そういう意味では、もし自信がなくて施術を楽しめないなら、まずは技術面を先に教えてもらうのがいいと思います。技術は人から教えてもらえば覚えますし、覚えればすぐ実行できますから。逆にコミュニケーションやトークのスキルは、いくら教えてもらってもすぐには体現できないこともあるでしょうから。
メンズエステでは店内のセラピストさんと関わりが持ちづらいお店もあるから、他の人がどういうことをしているのか、入店後あまり学べない人もいます。私はそういう人たちのためにも、セラピスト向けの講習を今もやっているんです。
ミクニ 確かに、隠れてやりたい人もいらっしゃいますもんね。セラピスト同士の繋がりって、どうやったら得ることができるのでしょうか……。
成瀬 私の場合はハグヒーリングというメンズエステ施術の講習に通ったことが大きかったですよ。講習は技術向上と横のつながり、2つを同時に手に入れられるのでおすすめです。
それに、今はSNSでもセラピスト同士で仲良くしている子も多いですよね。ネットの繋がりだけではなく、リアルで直接知り合うことも大事だと思うので、私は自分の仲良くしている人たちに呼びかけて、大人数で温泉に行ったり、ストリップに誘ったりしています。
ミクニ すごくアクティブ! ……ちなみに成瀬さんは、この仕事に年齢制限はあると思いますか?
成瀬 無いと思いますよ。私のお客さんの中には、80代のお客さんもいらっしゃるんですが……そういう人からしたら、60代のセラピストさんだってお若いんですから(笑)。それに、そういう方たちが求めているのって、施術の上手さでもなかったりするんです。一緒に過ごす時間を目的に来てくださる人もいます。
高齢化社会なのもありますし、中年〜シニアでも続けていけると思います。もちろん最低限、見た目に気を使う努力は必要だと思いますけどね。私は講師なりセラピストなり、身体が元気で需要がある限りは、60代になっても続けたいです。
自分の技術に自信を持っている成瀬さんの振る舞いや言動は、とても余裕があって落ち着きます。自分に余裕があるからこそ、関わる相手のことを慮れる愛にあふれた方でした。
「メンズエステは長く続けられる仕事ではない」ということも、加齢や労働量の負担などの不安や自信のなさ、実際のモデルロールの不在からくる部分も大きいでしょう。成瀬さんはセカンドキャリアとしてのメンズエステセラピストの、モデルロール的な存在といえるはずですし、自信を持って仕事していられれば、どんな仕事でも長く働けるのかもしれません。
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